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第3話 継承の儀
《1150年/晩春/夕の週/第5日 錬磨24才 穂乃香6才》

その日、俺がいつものように仕事を終え、拠点としてる安宿に戻ると、宿の女将さんから俺宛の手紙が届いている事を教えられた。俺に手紙?誰だ?
受け取った封筒はそっけない感じの物だったが、表面に国印がつけられている。これは国からの手紙だ。封筒を裏返すとそこには継承管理人の名前が記されていた。
ついにこの日が来た。あいつと初めて出会ってからもう3年になるのか―――



俺は逸る気持ちで手紙に目を通した。
そこには養子が一人前に成長したこと、継承の儀式を行うことが記されていた。
継承―――この樹上世界にはそういう風習がある。女神の力を借りて親の知識や経験の一部を子に受け継がせる儀式だ。これを行うことで、その親子は本当の意味での繋がりを得ることができる。

   ◆◇◆

もう日も落ちていたが俺は神殿街へ向かうことにした。
都合の良いことに、手紙には儀式を行う日時はこちらが決めてよいと書かれていたからだ。あいつは神殿街の孤児養護施設で暮らしているし、儀式に合わせる事は簡単なのだろうな。まぁ、いつでもいいのなら今でもいいだろう。
ふと時計に目をやると既に23時をまわっていたが…気にしたら負けだ。

神殿街の継承門がある区画、ここが継承の儀式を行う場所だ。
到着すると継承管理人が俺を出迎えてくれた。

継承管理人
 「よくいらっしゃいました。
  継承の儀を執り行う前に、この服に着替えてください。
  この服は貴方が養子を取った3年前から、同じ時間をかけて
  清められた聖衣です。
  また、この儀は継承門を通り偉大なる女神に謁見する神聖なものです。
  この世のすべてのしがらみを捨てなければ失礼にあたります。
  貴方の持っているすべての俗世に繋がる物はこの場に置いて行きなさい」


継承の衣

俺は継承の衣をまとい、他の道具や金品等を継承管理人に預ける。
そうこうしている内に、一人の神官があいつを連れてきた。
穂乃香―――俺の娘。
穂乃香は眠い目をこすりながら神官の若者に手を引かれていた。
しかたあるまい、いつの間にか時間は1時を過ぎている。子供は寝てる時間だ。
規則とはいえ、この3年間一度も会えなかった。
継承管理人の話では、実子でない養子の場合、肉体的な繋がりが薄いとかで、色々と継承の儀式に不都合が出るらしい。
そこで養子が決まった子供は3年間身を清める期間を設けられる。その間、俺と穂乃香は接触しては行けなかったらしい。

錬磨
 「よっ、久しぶりだな。俺のこと覚えてるか?」


穂乃香
 「………? おじちゃん?」


錬磨
 「それはやめろって言ったろ?」


穂乃香
 「れんお兄ちゃん?」


錬磨
 「ん~…すでに親子だからな………」


このやり取りも懐かしい。3年前初めて会った時はなんて答えたかな…

継承管理人
 「あー、ゴホン。よろしいですかな?
  そろそろ継承の儀を執り行いたいのですが」


俺は継承管理人に頷くと、穂乃香の手を取って継承門の前に立った。
継承門は淡い光を放っている。昔一度だけここを通ったことがあるが、その時は別段これといった変化は無かった。
だが今は違う、光の向こうに違和感を感じる。いやこれは短に緊張しているせいだろうか?

継承管理人が指に魔力を込めて継承門の柱をなぞった。
特殊な技法で柱に彫り込まれた真言文字が輝きだし、力を目覚めさせる。
文字の光は、管理人がなぞった部分から波紋のように広がり、門を光の文字が埋め尽くした。

継承管理人
 「謁見の間への道は開きました。どうぞお進みください」


繋いだ手に若干力を込め、穂乃香を見下ろす。
穂乃香も俺を見上げている。その表情にあるのは不安。
俺は穂乃香を安心させるように一度頷くと、穂乃架の手を引いて光の門をくぐった。
瞬間、強い光が俺と穂乃香を包み―――俺は気を失った。


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テーマ:新ベルアイル - ジャンル:オンラインゲーム

ベルアイル | 13:34:33 | Trackback(0) | Comments(0)
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